5月お稽古 2 濃茶(長緒 中水) |
花入 鮎籠
花 下野 撫子 矢筈芒
運び点前
運び点前は、棚がないので、道具の置く位置が、難しいです。
一つずつ正確に置きます。
きっちり置かないと後で点前がやりにくく落ち着きません。
敷板 膝線から16目、左勝手付から7目か9目に置きます。
水指 風炉の右真横、畳の中央。
茶碗と茶器を持ち出し、水指前に座り、水指の中央に、
茶杓の櫂先が、敷板にかからないように同時に置きます。
建水を膝線より建水(また柄杓の合)一つ分下げて置きます。
蓋置は、敷板の左畳中央、敷板の延長線より三分の一ほど出るように置きます。
濃茶
風炉の濃茶の時、水を一杓指します。
風炉のお茶は、前年に摘んだお茶です。
お茶の気が弱っているので、湯の温度を調整してやわらげるためといわれます。
『松風雑話』
風炉の茶の湯で中水は、利休から始まったことです。
急な来客にお茶を点てたとき、水指の水を柄杓で汲み、釜に入れられたことから、
何の理由もなく流行したとあります。
高山右近と芝山監物が利休に理由を尋ねると、
急な来客のため、釜の湯が足りなく、湯を改める意味で水をさしたと申されました。
『利休道歌』
風炉濃茶必ず釜に水さすと一筋に思ふ人はあやまり
長緒(習い事七ケ条の一つ)仕覆の長い緒の扱いです。
茶入の緒は、長緒と短緒があります。
大海、内海、割蓋茶器などの仕覆の緒は、長緒です。
打留は、緒をむすんでいますが、『女結び』(縦結び)です。
戦国時代、茶頭は、主君の暗殺を防ぐため紐が解かれるとわかるように
自分ひとりの封印結びをしたのがもとです。
その意味で責紐釜もあります。
茶入は、元々長緒でしたが、侘び茶の始まる頃(珠光、利休からより)
覚々斎が、老松割蓋を好まれ、北野天満宮に願をかけ、長緒にされた逸話は、有名です。
このとき仕覆の口のひだも七ツ折と定められています。
長緒結び緒
長緒休め緒 一例
老松の割蓋茶器
妙喜庵の老松(袖摺りの松)が枯れ、
この材で覚々斎が好まれ『左近』によりつくられました。
湯呑形の身に、蝶番でつながれた蓋をかぶせています。
湯呑の元は、宗旦が所持した清水焼だったそうです。前回の京焼とつながりました。
色々な緒の結び方が楽しめます。
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